明石姫君入内の準備で多忙な時だが、夕霧は雲井雁のことが忘れられない。雲井雁の方も不安な日が続く。内大臣もようやく我を折ったものの、言い出す機会がない。三月二十日は大宮の忌日で、極楽寺の墓所で会った時、内大臣の方から和解の言葉をかけた。次いで四月に入って、内大臣邸で藤の宴が催されたおり、夕霧も招待された。内大臣たちは彼を大歓迎したあげく、酒にまぎらわして、婚約を許す。翌朝きぬぎぬ文を内大臣は見て満足する。源氏は帰ってきた夕霧を戒める。
 明石姫君の入内は二十日過ぎである。紫の上は下賀茂に参詣し、次いで葵祭の物見に出た。
 さていよいよ入内の日、紫の上は姫君の付添いとして参内したが、この時乳母としてともに参内した明石の君とはじめて対面する。その後、紫の上と明石の君は仲よく交際するようになる。源氏の心の中には、出家求道の気持ちが起こった。
 その秋、源氏は准太上天皇として年官年爵を賜ることとなった。内大臣も夕霧もそれぞれ太政大臣、中納言となった。夕霧は三条宮を修理して新居とした。新太政大臣もやってきた。
 十月下旬、冷泉帝と朱雀院はそろって六条院に行幸した。当代の最高貴族たちがそろった中でも、源氏と冷泉帝と夕霧とは全くよく似通ってすばらしかった。

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