明石姫君の装着の準備を源氏はしはじめた。正月の晦日のひまなおり、源氏は薫物台を思いついて女たちへ指示した。二月十日に螢兵部卿宮がやってきた。雨でちょうどよい湿度になったので、夕方から始めた。螢兵部卿宮を判者としたが、優劣はつけられなかった。やがて遊宴となった。
 裳着の式も終わった。この時、紫の上は秋好中宮と対面した。源氏は姫君をすぐに入内させることを遠慮した。源氏は四月入内を決定して、準備を急いだ。特に書道の手本になりそうな草子を選んだ。紫の上や螢兵部卿宮を相手に書を論じ、またみずからも筆をとった。ついでに、大勢の名人たちの書や草子を集めさせた。
 内大臣はこの様子をみて残念に思っていたが、雲井雁のことは諦める気になった。一方、源氏は夕霧が一人身なのを心配して、身を固めるよう教訓する。しかし、夕霧は雲井雁のことが忘れられず、ときおり文通している。内大臣は、夕霧の婿入りの噂を聞いて、落胆する。雲井雁も嘆く。どうしようか、などと思っているところへ、夕霧から手紙が来た。噂のことを恨んだ返歌に接して、夕霧はいぶかしく思うのだった。

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