望みどおり父とも会い、かつ今後の身の振り方も決まったものの、玉鬘の悩みはなお尽きない。彼女の心情を示すような鈍色の衣は、祖母大宮の喪に服しているからであった。そこへ夕霧が、冷泉帝のメッセージを携えてやってくる。今や異性としての愛情を感じた彼は、持って来た蘭の花に託して、わが思いを切々と訴えた。それでなくても憂わしい玉鬘の心はいよいよかたくなになってしまう。拒まれた夕霧の方も、軽率な求愛を侮みながら、源氏のもとへ帰った。
 源氏は夕霧に彼女の人がらをほめるのだが、夕霧には内大臣が源氏の思惑を察していることを告げ、父の本心をうかがおうとする。その推察に、源氏はその場は笑ってごまかしたものの、内心はぎくりとする。
 ようやく喪があけた。十月参内の予定と聞いて人々は残念に思う。ある月の明るい挽、久しぶりに、柏木が父の使いとして訪れてきた。玉鬘自身がよそよそしくしているからだと柏木は責めた。
 さて、この柏木の上司である髭黒や螢兵部卿宮らが、なおつてを求めて玉鬘に歌を贈ったが、彼女はわずかに螢兵部卿宮に関心をよせただけであった。

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