近江君の悪評が高くなるにつれて、源氏もさすがに内大臣のことを気の毒に思う。また玉鬘も、これを聞いてようやく親しみを感じはじめる。
 秋風が吹くころとなった。五日月がもうはいってしまった夜、琴を枕に源氏は玉鬘によりふすが、人目にもたつ時分なので、やむなく立とうとすると、庭の篝火も消えそうで暗かった。とりあえず、篝火を明るくしてみると、玉鬘の美しさはまたひとしおである。思わず、歌を詠みかけるが、玉鬘はあえてはずした返歌をする。とその時、東の対の方で(花散里の所)、おもしろい笛、箏の音が聞こえてきた。夕霧が柏木兄弟と合奏しているのだ。何も知らぬ柏木などは、玉鬘への思慕の情をこめて歌うのだった。

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