桃園式部卿宮が亡くなったので、その姫君は賀茂斎院をやめて、故父君のお邸である桃園宮に帰った。前々から彼女に関心のあった源氏は出かけて行き、姫君と庭前に咲いていた朝顔を話題にして歌の贈答をした。しかし、彼女は源氏に打ち解けようとはしなかった。一方、ふたりの関係が、ようやく世間の噂にもなって、紫の上の耳にはいる。事情を知らぬ紫の上は嘆く。源氏は、荒れた桃園邸で偶然にも、源典侍がいまは尼になって老醜をさらしているのに出会ったりする。ようやく姫君と会い愛をほのめかすが、彼女は一向に相手にしない。年来斎院として仏道を怠った代わりにと、ひたすら仏道に専念しようとする。源氏はいささかいらだち、それゆえ二条院にも帰ってこない。さすがに紫の上も源氏を恨む。やむなく源氏もあれこれと紫の上をなだめるのであった。
 雪の降り積もったその夜、童たちに雪の山をつくらせたりしていると、源氏には藤壷のことが思われてならなかった。紫の上に向かって、藤壷以下いままでに関わった女牲たちに対する感想や批評を述べる。その夜源氏の夢に、藤壷が現れて恨みごとを述べる。うなされて紫の上に揺り起こされる。ひたすら源氏は心の中で阿弥陀仏を念じたのであった。

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