大堰の山荘で冬の生活を送る明石の君に、源氏は、姫君を二条院へ引き取ろうと提案する。源氏は、紫の上もかわいがってくれるだろうと慰めてはくれるのだが、明石の君の心は重たい。我が子の幸福のためにあれこれ選択に迷う明石の君に向かって、姫君を源氏に託すようにと勧めるのは母の尼君だった。結局彼女は源氏の提案を受入れた。
 十二月、白いものの落ちる日、明石の君は涙ながらに愛児を源氏に託す。二条院に到着すると、母を慕って泣く姫君を紫の上はあやしながら、源氏への怒りも静まってくる。
 姫君の着袴の式も行われた。明石の君はもちろん参列できない。彼女の心情を察して、源氏は時々大堰を訪れる。今は紫の上も明石の君に対して心許していた。このころ、太政大臣が没し、その後凶兆が続いた。藤壷も三十七歳の若さで病が重くなり亡くなった。源氏をはじめ人々はその死を惜しんだ。冷泉帝に彼の真の父が源氏であることを教えたのは、藤壷の祈りの師であった老僧都であった。そこで冷泉帝は源氏に譲位しようとしたが、源氏は固辞した。源氏もまた秘密が発覚したのではないかと案ずる。
 このころ、秋好が宮中から二条院へ退下してきた。源氏はその美に魅せられて、春秋比較論などを語る。紫の上のもとに帰って、自らのすきを反省した。

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