二条東院が完成したので、源氏は花散里やその他の人々を移り住まわせた,ただ東の対は明石の君を入れるためにあけておいた。明石の君の方へもしばしば手紙を出して上京するように言ったが、明石の君は自分の身分のことを考えるとなかなか決心がつかなかった。親たちも、あれこれ考えて、曽祖父にあたる中務宮の山荘が大堰にあったのを修理して、とりあえずそこに住まわせることにした。これを聞いた源氏は、惟光を派遣して面倒を見させた。
 明石の君が大堰へ出発することにした時、入道は娘に、長い教訓をして送り出した。尼君・明石の君は姫君ともども涙のうちに出発した。予定通り大堰に到着したものの、源氏はやってくる様子もなかった。
 源氏はある日、紫の上に断って、ようやく大堰の山荘を訪れた。はじめて姫君を見て、愛らしく思う。一晩語り明かし、翌日は嵯峨の寺で仏事の準備をし、その夜また山荘へ帰った源氏は姫君を二条院へひきとろうと考える。
 源氏が帰途につくと、彼の後を追って殿上人たちがやってくるので、しかたなく再び柱殿に帰り、その夜は、月明りの下に遊宴を催す。それから、明石の君に心を残しながら帰邸する。
 紫の上が不満気なのに気を使って、源氏は明石の姫君のことを紫の上に語る。彼女も子供はほしいと思っていたので、引き取ることには賛成する。しかし、明石の君のことを考えると、源氏はなおどうしようかと思い悩む。

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