暴風雨はなおやまず、源氏の屋敷には落雷があり、その一部が焼けたが、その夜の夢に故桐壷院が現れて、住吉の神の仰せに従って、この浦を去るようにと告げた。
 翌朝、明石の入道が夢告を受けたと言って、迎えの舟を寄せてきた。源氏はその奇怪な暗合に心を決めて明石に移住した。入道は源氏を厚遇し、初夏の夕月夜の折に、明石の君の婿にというかねてからの念願を源氏の打ち明ける。
 源氏はやがて、秋の月の美しい夜、契りを結んだが、明石の君は源氏にそぐわぬ身の程を思い煩悶する。
 一方、京都では、三月の暴風雨の夜、朱雀帝が夢枕に同じく故桐壷院が立ち、以来、帝は眼病に悩み、弘徽殿太后も病床に臥し、右大臣は薨ずるという凶事が続いた。帝は故院の遺言に違背した報いとして後悔し、母太后の反対を押しきって、翌年春免罪の勅定を行い、秋召還の宣旨を下した。源氏は喜んで帰京したが、折から懐妊中の明石の君一家は悲喜こもごもである。
 帰京した源氏は権大納言に任ぜられ、朱雀院と晴れて対面し、故父院の冥福を祈って法華八講を催す用意をする。

公開した『源氏物語』の記事をまとめて読みたい方は
    こちらをクリックしてください